Measuring Cognitive Load Through Event Camera Based Human-Pose Estimation
イベントカメラによる人間の姿勢の推定を通じた認知負荷の計測
Muhammad Aitsam, Dimitri Lacroix, Gaurvi Goyal, Chiara Bartolozzi, Alessandro Di Nuovo

本論文はこちら https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-031-81688-8_17

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ダイジェスト

認知負荷とは、人間の脳が外部からの情報の処理をするために必要な精神的な負荷のことであり、人がどのようにして与えられた仕事を学習・実施し意思決定をするのかを理解するのに非常に重要である。

人とロボットの協業において、人の側にどのくらいの認知負荷がかかっているかを知ることができれば、たとえば、高い認知負荷によって生じている人の側の精神的ストレスを軽減するようロボットの側から働きかけることが可能となり、当該協働作業におけるパーフォーマンスを改善することができると考えられる。

このような背景から、本研究では、認知負荷の高低が人の姿勢や動作にどのように現れるかを実験的に調べた。

人の姿勢や動作は従来のRGBカメラによっても計測することができるが、RGBカメラは特定の周波数に同期して作動するため、高速の現象や微小な変化などの検知に限界がある。このようなRGBカメラの限界を克服するために、本研究では動的な現象を検知し応答するまでの遅延時間が短く、かつ時間分解能の高いCenturyArks社製イベントカメラを用いた。

結果として、被験者は高い認知負荷に対してはより緊張的な動作を示すことや.認知負荷のレベルによって外部からの刺激に対する反応時間も影響を受けることがわかった. これらの結果から、人とロボットの協業において、イベントカメラによって人の側の認知負荷のレベルを非侵襲的な方法で、かつリアルタイムでモニターし、その状態に応じて、オンラインでロボット側の応答を能動的に制御することのできる可能性が示唆された。

Ph.D. Muhammad Aitsam, Sheffield Hallam University and Smart Interactive Technologies Research Lab
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